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パレード/吉田修一

パレード (幻冬舎文庫)

友人のお勧めで読みました。

で、いきなりなんですが、「読もうかどうか悩み中」の人はこのレビューを読むのはお控えください。ネタバレが結構致命的になったりする小説です。まだ読んでない人に僕ができるレビューは「おもしろい」だけです。

ネタバレにも色々ありますが、たとえば「推理小説の犯人を言う」というタイプのレビューではなく、「M-1にナイツというコンビが出てきますが彼らのネタは、まず『誰もが知っていることについてあたかも秘密を教えるかのようなテンションで教えようとして掴みを取り、その説明は大体ダジャレです。あと、野球ファンしかしらないようなネタで笑いを取りつつ、最後の1分あたりにダジャレで下ネタを言います。その後、少しづつ下ネタを重ねながら最終的にただの下ネタを言います』。とても面白いです。では、見てください。」と言ってしまうような感じです。

実際僕はこの本の「犯人」自体は半分読んだあたりで見当がついていました。

最後にドンデン返しがある、ということを僕は知っていたから考えながら読んでしまったのですが、それを知っていれば誰でもわかるものかと思います。ので、その事で興がそがれたかというと微妙ですが知らなかったほうが楽しかったかも。

ただ、最後に「迷惑そうにしたこと」「裁かれなかったこと」(←読んだ人にはわかる)のほうがオチとしては「怖い」部分だったのでドンデン返しという看板に偽りはありませんでした。

内容はともかく、僕は「他人同士が何らかの事情で共同で何かをする」という設定が好きなのでとても楽しく読めました。

この話の主題は人間関係の距離感だと思います。

奇妙な共同生活をする5人が、それぞれに「共同生活の場で見せる自分」と「それ以外の自分」を持っていて、それは現実世界で誰もが持っている多面性です。

そしてお互いにそれ以外の面に踏み込まないことでその共同生活が成り立つこと、それを破ってしまうこと、破られてしまうことの恐怖は読むに値する味がありました。

この作者のほかの作品も読む気になりました。

薦めてくれた人、どうもありがとうございました。

ちなみに作中は千歳烏山を舞台に展開されるのですが、近所なので楽しかったです。

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コメント

>と言ってしまうような感じです。
的確すぎるwwww
自分は「犯人探し」という視点を重視していなかったから、
最後にどんでん返しがあることを推して勧めてしまいました。うかつでした。
(ただ、「面白いよ!」だけじゃ読んでくれると思わなかったんよw)

「迷惑そうにしたこと」「裁かれなかったこと」、良いよね。すごく印象に残るっていうか。

気に入ってくれて良かったです。
そして、ウダウダやってるうちにレビュー、先を越されてしまった!(笑)

投稿: 友人? | 2009年12月16日 (水) 22時05分

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» 日常なのかに [笑う学生の生活]
小説「パレード」を読みました。 著者は、吉田 修一 男女4人の共同生活 そこに1人加わって 1人1人 それぞれの視点から語られる 何があるわけではない 大きな事件もなく リアルな日常 平凡といえるか しかし、最後まで読ませます 最後は驚きが・・・ これは 怖い まさに、現代の若者の現実なのか・・・ みんな、演じて生活している 上辺だけの関係  これは、考えさせる ちょっと 驚きの1冊 悲しくても 恐ろしい 何なんだろうか・・・ 私的好き度:4      あまりに日常なんで それがど... [続きを読む]

受信: 2009年12月20日 (日) 22時27分

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