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美容院の話

我が家はおしゃれという概念がなく高校卒業まで僕はおっさんがやってる床屋に行き「スポーツ刈り」の一言で済ませ、夜はドライヤーなんて使わず自然乾燥に頼り、朝は鏡も見ずに学校に行ってました。

でもさすがに大学に行き始めた頃には、おしゃれというものが現代の若者の必須単位らしいことに気づき美容院というものに行ってみたのでした。

事前にネットで調べ、どうやらかぶせ物に手を通すということや、目の前に置いてある雑誌は読んでいいらしいことを学びました。

しかし美容院に行くというのも僕には一苦労で、美容師さんが「おいおい、美容院来てもブサイクは治らないぞw」だとか「こいつ今まで"スポーツ刈り"って注文してたんだなw」とか思って苦笑いするんじゃないかと恐怖心を感じていました。

「いや、美容師さんにとってはおれなんてよくいるショボイ大学生だ。ベルトコンベアーに流れくる製品のチェックをするのと同じことだ。大丈夫!大丈夫!」

と、何度も自分を励まして何とか入店を果たしたのでした。

でもいきなり

「好きますか?」

などと僕の心の奥底に踏み込むような質問をされた時は驚きました。

良くわからずに

「え?・・い、いや・・んー?」

と困っていると店員さんに何度も

「んー、でも量多いんで好いたほうがさっぱりしますよ」

言われましてしまい

(に、日本語がよくわからない!おれがパニックになってるのか?いや、違う。この店員さんがおかしいんだ)

と、完全にパニックになったのもいい思い出です。

そうやって何とか準可がもらえる程度にはおしゃれ講義に出席した僕ですが今でも悩んでいることがあります。

それはお店を予約するときの

「ご指名はございますか」

です。

つまり、前回切ってくれた店員さんが気に入ったならもう一回その人に頼めということだと思う。

正直、髪なんて変じゃなければいいと思ってるし、前回の店員さんに不満もなければ満足もしていない。

それに指名なんてしたらちょっとだけ親密さが増していろいろ話しかけられるんじゃないか?という不安もあります。カット中、出来れば一言も話さずに、流れてくる大量生産品のように右から左へ受け流してほしいと願う僕としては、少しでも会話が増えるような事は避けたくて仕方ありません。

とはいえ、指名をしなかった場合はその店員さんに申し訳ない気もします。

僕ごときに自分の腕前を疑心されてしまった店員さんの感じる屈辱たるや想像を絶するのではないだろうか。

あるいは、電話越しのこの女性に「こいつ、指名料ケチってんだなw」と思われるのでは。

そう思ってしまいどうしても断れなくなってしまうのです。

結果、僕は毎回美容院を変えています。

一回目であれば指名がないし、「どうせもう来ないから」と自分を奮い立たせて愛想の悪い客を装うことも出来るからです。

ちなみに「日本語がよくわからない韓国人」という設定に一度チャレンジしたところ、逆に韓国語がわかる店員をあてがわれてしまい終始話しかけられてしまって大変だったことがあるので、もうしたくありません。

しかし、いかに東京といえど2年間も住んでいれば近所の大抵の美容院は行きつくしてしまうのです。さりとて原宿だの自由が丘だの美容院がたくさんある町は僕なんかが行ってよい資格があるはずがありません。駅に降り立った瞬間、「ごめんなさい」とつぶやいて帰路についてしまいます。

最近ではまた自分で切ろうかな、とも思ってます。

でもさすがに社会人でそれはマズイでしょう。

とても悩んでいるのです。

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